マルフィの公爵夫人

グローブ座にて、『マルフィの公爵夫人』を観に行きました。
これはシェイクズピアと同時代のウェブスターの作品で、未亡人マルフィ公爵夫人の莫大な財産をめぐる陰謀、殺人、近親相姦などかなりおどろおどろしいジャコビアンのお芝居です。
公爵夫人を演じるのはジェマ・アータトン。『クァンタナモ・ソラス(慰めの報酬)』に「ストロベリー・フィールズ」という役で出演。ボンド・ガールです。

この芝居はインドア・シアター用に書かれたものだそうです。
劇場でなんでわざわざインドア?と不思議に思われるでしょうが、グローブ座は当時の劇場を再現して天井部分が開いています。椅子のある客席は屋根の下ですが、ステージ前のサークル部分は屋根無し。
そして、雨が降っても傘をさせませんので、観客はレインコートを着なければいけません。
ということで、そういう劇場は冬の間は寒すぎ。現在のグローブ座も冬の間は閉鎖。
そこで、当時ファッショナブルだったブラック・フライヤーに冬でも観劇出来るインドア・シアターが作られたのが1596年。
明かりはろうそくの光のみという状況を設定して書かれたこの作品だそうです。

そしてそのインドア・シアターを現在のグローブ座の横の建物内に作り、その初演がこの『マルフィの公爵夫人』です。
つまり、できたてほやほやの劇場。新しすぎて絵はがきを買おうと思ったら、まだ追いつかないと店員さんに教えてもらいました。


劇場を囲む廊下部分に電気は付いていますが外側壁部分に窓があり、そこを開け閉め出来るようになっています。中に入ると、座席の足下に誘導灯がついていますが、御芝居が始まるとそれも消えます。

柱部分のろうそく立てや、上下に移動出来るシャンデリアにもろうそくで明かりをともします。
柱のうしろの席や、上の方の席はシャンデリアの位置でけっこう舞台が見えにくかったりもします。
私の席は上の方でシャンデリアが下がると前方にいる役者さんがよく見えませんでした。
別のお芝居をこの劇場で見た義母は、あんな高いのにあんな見えにくいなんて!とけっこうご不満な様子。
しかし、薄暗い所で突然死体に見せかけた蝋人形などが出てくるとかなり効果抜群....だったはず。
お化け屋敷的効果でしょうか?

音の反響もグローブ座とは違い、グローブ座では音が弱すぎて使えなかったリュートなどが使えるそう。どんな楽器が可能かリサーチするためいろいろなコンサートも企画されているそうです。
レコーディング・エンジニアなどの音響のプロにはおもしろいところかもしれません。

あ、そのパンフにその劇場で一番高い席のことが書かれていたのですが、それは舞台上にある席。
そこに見られることを意識して観客が着飾って座ったそうです。
時代を超えて見られたがりは存在するのですね。

てな感じの演劇、劇場の歴史のことがパンフレットに書かれていて、面白かったです。


マルフィはイタリアの地名アマルフィのことだそうです。なんでアが消えるんだろう?
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by kubokiriko | 2014-02-08 02:18  

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